2700Kと3000K、どちらを選ぶか

2700Kと3000K、どちらを選ぶか

家庭用や住宅用のLED照明製品を探していると、2700Kと3000Kの間の色温度の選択を迫られることがよくあります。どちらも「温白色(日本では電球色)」と見なされることが多いですが、この2つの色温度の間には明らかに色調の違いがあります。どちらを選ぶべきか迷っている方は、こちらの記事をぜひ参考にしてください!

2700K:白熱電球の色

従来の白熱電球は、電球内部のフィラメントが高温になり発光し始めると点灯します。最大光束では、フィラメントの温度は約2700度ケルビンになるため、2700Kと表示されています。

つまり、色温度2700Kの非白熱電球(LED A19電球など)は、白熱電球に近い光の色であることを示しています。従来の白熱電球の色が好きな方なら、2700Kが望ましい色温度ということになります。

2700Kはとても温かみのある雰囲気を醸し出し、リビングや寝室などリラックスしたい場所に最適です。

しかし、誰もが2700Kの白熱電球の色を好むわけではなく、取り付け場所によっては、より高い色温度が望ましい場合もあります。2700Kで特に気をつけるべき点は、黄色やオレンジ色がかなり強く見えることで、黄色の色合いですべてが「色あせた」ように見えてしまうことです。リビングルームやベッドルームであれば、これはそれほど大きな問題ではありませんが、キッチンなど、家庭内でより作業を重視する場所では、代替案として3000Kを検討することをお勧めします。

3000K:「よりくっきり」見えるもうひとつの選択肢

3000Kの光は、2700Kに比べてやや明るめでニュートラルな白色です。黄色やオレンジの色合いが少なく、そのため「よりくっきり」見えます。ハロゲン電球(MR16型スポットライトなど)をお持ちの場合、3000Kの光を発している場合が多いでしょう。

個人的に2700Kの白熱電球の色がお好きでない方や、もう少し色の鮮やかさが欲しい場合は、3000Kが最適な選択肢になるでしょう。通常、キッチン、ランドリー、バスルーム、ホームオフィスなど、視覚的な作業が多く、暖かさやくつろぎを第一の目的としない場所には、3000Kの照明を検討することをお勧めします。

お客様からよくお聞きするのは、家の中の照明が冷たすぎたり、殺風景だったり、無機質だったりするのが気に入らないというお話です。私たちはこれまでに、第一世代のエネルギー効率の高いCFL(電球型蛍光灯)電球で、きつくて冷たい白色を放つ照明を見てきましたので、この問題はよく理解しています。

そこで照明選びのコツをご紹介します。3000Kという正確な色温度を指定することで、照明が冷たすぎたり、きつすぎたりする可能性が非常に低くなります(メーカーの仕様が正確で、信頼性があり、一貫していることを前提とします)。3000Kはまだ「温白色」の色温度の範囲内であり、青すぎたり、強烈すぎたり、病院の照明のようだったりする心配はないはずです。

 

2700K3000Kの違いはどの程度感じられるか?

極端ではありませんが、肉眼で違いがはっきりとわかります。2700Kと3000Kの電球を並べて見れば、違いがよくわかるでしょう。とはいっても、一晩に異なる2軒の(しかし似たような照明スタイルの)家に友人を訪ねに行ったとして、最初の家が2700Kで、2軒目が3000Kの照明だったとしても、そのことに意識的には気づかないかもしれません。

2700Kと3000Kの光源が隣り合わせにならない限り(たとえば、6灯のシーリングファンライトの中に混在させるなど)、2つの色温度は美観を損ねることなく、1つの空間でかなりうまく調和させることができます。

たとえば、2700KのLED電球をアンビエント照明に使い、3000KのLEDストリップライトを同じエリアのキャビネット下に取り付けてカウンターを照らしたとしても、見た目はまとまりのある雰囲気に仕上がります。

そうは言っても、2700Kと3000Kの間の300度の違いを定性的に説明するのは難しく、そのような違いの知覚は人によって異なるかもしれません。多くの場合、実際にライトを見てみることが、どちらが最良の選択であるかを知る最も良い方法です(このような理由から、弊社では返品理由を問わない30日間の無料返品・返金制度を設けています)。

 

演色性についても忘れてはいけない

これまでの論考では、一般的に演色評価数(Color Rendering Index、略してCRI)を使って測定される演色性の変数については触れませんでした。

2700Kの電球が黄色すぎる、あるいは「くすんだ」色に感じるのは、色温度が原因ではなく、CRI値のせいかもしれません。CRI値が低いと、色温度とは関係なく、物体が色あせたようにくすんで見えることがあります。そのため、以前の経験から2700Kの電球を避けているのなら、それが本当に気に入らない色温度であり、CRI値の問題ではないことを確認することをお勧めします。

同様に、色の精度と鮮明度を向上させるために3000Kを求めているのであれば、CRIが高いことは、色温度を2700Kから3000Kへ変えることと同じくらい重要な指標であることを覚えておいてください。CRIが低い3000Kの光源は、黄色やオレンジの色相の多くを取り除きますが、それでも物体の色を忠実に再現することはできません。たとえば、化粧の色がよく見えるように化粧室に3000Kの照明を取り付ける場合、CRIの高いものを選ぶようにしましょう。そうでないと、当初期待した色精度の向上が得られない可能性があります。

 

2700K3000Kの「ブルーライトの危険性」を比較してみる

最後に、2700Kと3000Kの比較において、最近注目されつつある、いわゆる「ブルーライトの危険性」とその健康への影響について説明します。ブルーライトの危険性については、これまでにも何度か取り上げてきましたが、これは、これらの色温度のどちらを選ぶかという際に、非常に重要なポイントとなってきます。

ブルーライト、特にスマートフォンやタブレット、その他の発光する画面が夜遅くの時間帯に当たり前のように使われるようになり、入眠や休息に影響を及ぼすという懸念について耳にしたことがあるかもしれません。ブルーライトは、リラックスと睡眠を促進するホルモンであるメラトニンの分泌を抑制することが知られており、そのため、就寝前に浴びる光の種類、量、時間が睡眠の質に影響を及ぼす可能性があるとされています。

2700Kと3000Kにおけるブルーライト含有量の相対量は、それぞれの光源のスペクトルパワー分布を調べることで分析できます。これらのグラフを見てみると、他の条件が同じであれば、一般的に3000Kの方が2700Kよりもブルーライトの量が多く、そのため、注意力や覚醒状態を維持しやすいことがわかります。

では、概日リズムや睡眠への影響を心配するなら、3000Kを完全に避けるべきでしょうか?その必要はないと言えますが、その理由をこれから述べていきます。

第一に、2700Kと3000Kの青色含有量の差は、確かに測定可能なものですが、極端に大きな差があるわけではありません。比較のために、私たちのスマートフォンやタブレットの画面は、6500Kに調整されており、明るい昼光色で、多くのブルーライトを含んでいます。3000Kは「温白色」の範囲に収まっており、2700Kと比較すると、ブルーライトの量は若干多いものの、ほぼ同程度といえます。

第二に、「他の条件が同じであれば」という表現(上記)で強調したのは、ブルーライトの危険度に影響する要因は色温度の他にもあることを知っておくことが重要だからです。たとえば、電球の明るさや目への近さは、光源にさらされる時間や時間帯と同様に、光源が与える影響の度合いを大きく増減させます。

似たような例えとして、エスプレッソ1杯は普通のコーヒー1杯よりもカフェインを多く含んでいますが、朝10時にエスプレッソを1杯飲むよりも、夜10時に普通のコーヒーを5杯飲むほうが、確実に睡眠の質に影響を与えるといえます。

ブルーライトによる健康への影響を最も懸念しているのであれば、色温度2700K(あるいは、さらにブルーライトが少ない代替品としての2400K)を使ってみるのがよいでしょう。3000Kのよりはっきりした見た目の効果がお好みなら、あえてこの色温度を諦める必要はないですが、2700Kに比べてブルーライトの影響がわずかに高くなることを気に留めておいた方がよいでしょう。

 

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